ステップ 8:イエスの弟子を作る

イエスの働きに参加する

イエスの弟子の三つ目の目的はイエスの働きに参加することです。私たちが神の国を広げるイエスの働きに参加する方法の一つは、イエスの弟子を作ることです。

十字架の死によって神の国を地上にもたらして復活したイエスは、神の国の王としての権威を持って、弟子たちにこのように告げました。

マタイの福音書 28章18-20節

18 イエスは近づいて来て、彼らにこう言われた。「わたしには天においても地においても、すべての権威が与えられています。19 ですから、あなたがたは行って、あらゆる国の人々を弟子としなさい。 父、子、聖霊の名において彼らにバプテスマを授け、20 わたしがあなたがたに命じておいた、すべてのことを守るように教えなさい。見よ。わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたとともにいます。」

 

 

イエスの弟子が神の国を広げるイエスの働きに参加する一つ目の方法は、イエスの弟子を作ることです。イエスの弟子が神を王として礼拝して従うときに、神の国が現実になります。ですから、神の国はまず人々の心と人生において広がっていくものです。


イエスの弟子を作るとはどういうこと?

イエスの弟子とは、イエスを信じて、イエスを自分の主として従っている人です。ですから、イエスの弟子を作ることは、イエスの良い知らせを人 々に伝え、イエスの弟子になるように招くことです。人々がイエスの弟子として、イエスと共に過ごし、イエスのようになり、イエスの働きに参加するように招きます。

どのようにイエスの弟子を作るの?

コロサイ人への手紙の4章で、使徒パウロは(パウロはイエスの弟子として多くのイエスの弟子を作った人です)イエスの弟子を作るための三つの具体的な方法を教えてくれています。

コロサイ人への手紙 4章3-6節

3 同時に、私たちのためにも祈ってください。神がみことばのために門を開いてくださって、私たちがキリストの奥義を語れるように祈ってください。この奥義のために、私は牢につながれています。4 また、私がこの奥義を、 語るべき語り方で明らかに示すことができるように、 祈ってください。5 外部の人たちに対しては、機会を十分に活かし、知恵をもって行動しなさい。6 あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味の効いたものであるようにしなさい。そうすれば、一人ひとりにどのように答えたらよいかが分かります。

 

 

パウロは、自分とコロサイの教会がイエスの弟子を作っていくための、三つの行動を教えています。

 

 

行動1

祈り

 

 

行動2

生き方

 

 

行動3

言葉

 

 

行動 1:祈り

コロサイ人への手紙 4章3-4節

3 同時に、私たちのためにも祈ってください。神がみことばのために門を開いてくださって、私たちがキリストの奥義を語れるように祈ってください。この奥義のために、私は牢につながれています。4 また、私がこの奥義を、 語るべき語り方で明らかに示すことができるように、 祈ってください。

 

 

イエスの弟子を作るために

最初にやるべき最も大切なことは祈りです

 

 

なぜなら、私たちが自分の力でイエスの弟子を作れるわけではないからです。イエスの弟子を作ることは、聖霊を通したイエスの働きです。だからこそ、私たちは祈る必要があります。

パウロは自分のために二つのことを祈ってくださいとコロサイの教会に頼みます。

• 福音を伝えるための機会(開かれた門)が与えられるように(コロサイ人への手紙 4章3節)

明らかに語れるように、何をどのように伝えたらいいのかわかるように(コロサイ人への手紙 4章4節)

初めに、人に伝えるための機会が与えられるように祈りましょう。

福音を伝えたいと思う人のリストを作り、その人たちのために祈り、福音を伝える機会が与えられるように祈りましょ う。

次に、神がふさわしい言葉を与えてくれるように祈りましょう。最終的に人の心を変えるのは私たちの言葉ではなく、イエスの御霊 (聖霊)です。けれど、御霊は私たちの言葉を通して働きます。ですから、私たちはふさわしいタイミングでふさわしい言葉を口に出せるように祈ります。

しかし、 御霊が私たちにふさわしい言葉を与えてくれると 信頼することと、しっかりと準備をして信仰について説明できるようにしておくことはどちらも必要です。

ルカの福音書 12章12節

12「…言うべきことは、そのときに聖霊が教えてくださるからです。」

 

 

御霊は必ず神の言葉である聖書に沿って私たちを導きます。

ペテロの手紙 第一 3章15-16節

15 むしろ、心の中でキリストを主とし、聖なる方としなさい。あなたがたのうちにある希望について説明を求める人には、だれにでも、いつでも弁明できる用意をしていなさい。16 ただし、柔和な心で、恐れつつ、健全な良心をもって弁明しなさい。

 

 

聖書を知って覚えることこそ、 何よりの弁明の用意になります。

語る機会が与えられ、ふさわしい言葉が与えられるように祈るのと一緒に、次のことも祈りましょう。

心が開かれるように私たちの語った言葉が聞く人の心に入るように祈りましょ う。

使徒の働き 16章14節

14 [パウロの話を]リディアという名の女の人が聞いていた。ティアティラ市の紫布の商人で、神を敬う人であった。主は彼女の心を開いて、パウロの語ることに心を留めるようにされた。

 

 

私たちが神の国が来るようにと祈るとき、門が開かれて機会が与えられ、ふさわしい言葉が与えられ、聞く人の心が開かれるように祈りましょう。1


行動 2:生き方

コロサイ人への手紙 4章5節

5 外部の人たちに対しては、機会を十分に活かし、知恵をもって行動しなさい。

 

 

外部の人たちとは、イエスを自分の主として信じていない人たちのことです(ノンクリスチャンとも呼ばれます)。パウロが「行動しなさい」というときに、それは生き方のことを指しています。

では、クリスチャンでない人たちに対して知恵を持って生きるとはどういうことでしょう。それは、私たちの行動と伝えているメッセージが一致しているべきだということです。イエスの弟子を作るためにはイエスのことを伝えることが欠かせません。同時に私たちは行動を通してイエスの愛を示す必要があります。私たちがどのように外部の人たちと一緒に生活し関わっていくのかは、イエスの福音を力強く示す証です。

私たちの目的は人 々の考え方を変えることだけではありません。イエスに従うことは、人生の全てを徹底的に変える出来事です。ですから、イエスの弟子になるように人々を招くためには、私たち自身が本当のイエスの弟子である必要があります。イエスはこう言いました。

ヨハネの福音書 13章35節

35「…互いの間に愛があるなら、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての人が認めるようになります。」

 

 

だからといって、私たちが完璧でないといけないわけではありません。

聖書の良い知らせは、私たちがどれだけ良い存在かという知らせではなく、イエスがどれだけ良い方で、 どれだけ素晴らしいことをしてくれたのかという知らせです。ですから、私たちの良い行動だけがクリスチャンとしての証になるわけではありません。

私たちが罪を犯してしまう時も、実は証の機会です。ときに、罪を犯してしまったときの行動は何よりの証になります。例えば、罪を犯したときにそれを隠したり、正当化したり、無視してしまいますか。それとも、へりくだって、悔い改めて、謝ることができますか。

ペテロの手紙 第一 2章11-12節

11 愛する者たち、私は勧めます。あなたがたは旅人、寄留者なのですから、たましいに戦いを挑む肉の欲を避けなさい。12 異邦人の中にあって立派にふるまいなさい。そうすれば、彼らがあなたがたを悪人呼ばわりしていても、あなたがたの立派な行いを目にして、神の訪れの日に神をあがめるようになります。

 

 

神を王として生きる生き方は、周りの罪深い欲望に覆われた社会からは浮いた変な生き方になります。けれどもその生き方は「イエスは王である」という私たちのメッセージと一致した生き方です。神は旧約聖書の時代に自分の民に周りの国々とは違う生き方を求めたように、新しい契約の民である私たちにも、周りの社会とは違う「イエスは王である」と示す生き方をするように招いています。2


行動 3:言葉

コロサイ人への手紙 4章6節

6 あなたがたのことばが、いつも親切で、塩味の効いたものであるようにしなさい。そうすれば、一人ひとりにどのように答えたらよいかが分かります。

 

 

イエスの弟子を作るためには祈りとイエスのような生き方が大切ですが、それに加えてしっかりと福音のメ ッセージを伝えることが必要です。 メッセージを伝える方法は話したり、書いたりといろいろあります。

ローマ人への手紙 10章14、17節

14 しかし、信じたことのない方を、どのようにして呼び求めるのでしょ うか。 聞いたことのない方を、 どのようにして信じるのでしょ うか。 宣べ伝える人がいなければ、どのようにして聞くのでしょ うか。17 …ですから、信仰は聞 くことから始まります。聞 くことは、キリストについてのことばを通して実現するのです。

 

 

イエスの弟子になるためには、福音を信じる必要があります。福音を信じるためには、福音を聞く必要があります。そして私たちが伝えなければ、 どのようにして人 々は福音を聞くことができるでしょ うか。

では、何を伝えるべきなのでしょう。

福音

パウロ (今読んだローマ人への手紙の著者でもあります)は福音こそ語るべきメッセージだと言っています。なぜでしょ うか。それは…

ローマ人への手紙 1章16節

16 私は福音を恥としません。福音は、ユダヤ 人をはじめギリシア 人にも、信じるすべての人に救いをもたらす神の力です。

 

 

福音はイエスの死と復活の良い知らせです。それは、イエスこそが神が世界を救うために遣わした世界の真の王であるという 良い知らせです。

福音の内容を伝える良い方法としては、たとえば「 ファーストステップ」を使うことができます。

親切で塩味の効いた言葉

塩味の効いた親切な言葉とはどんな言葉でしょ うか。

冷蔵庫ができる前は、食べ物は簡単に腐ってしまいました。ですから、塩は食物を保つための大切なものでした。塩味の効いた言葉とは、励ましの言葉や愛を示す言葉などの、人々を建てあげるための言葉です。

エペソ人への手紙 4章29節

29 悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むし ろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい。

 

 

人を愛し、成長に役立つように言葉を使うことは、福音を伝える機会につながり、また、福音の証になります。

また、塩は今と同じように味を足すための調味料としても使われていました。私たちは言葉を使って、会話の中で神の視点や知恵を紹介することができます。私たちクリスチャンは、神がこの世界にも一人一人の人生にも意味を与えてくれていることを知っています。神は目的を持って私たちを造りました。だから人生で起こるすべてのことを、力強く愛に満ちた創造主である神が、ご自分の創造した世界を大切にしているという視点から理解することができます。このような神の視点をシェアするときに、神について興味を持ってもらい質問してもらうことにつながります。

最後に、私たちの言葉はすべて親切であるべきです。クリスチャンはイエスを信じていない人たちの考え方や生き方をさばいたり見下したりするべきではありません。3 イエスも罪人の友と呼ばれていました。イエスは進んで神から離れていた人々 と時間を過ごし、一緒に食事をし、 深く話しました。イエスは神から離れている人たちの考え方や生き方を無理やり変えようとはしませんでした。また、罪の生き方を正当化することもありませんでした。イエスは彼らが悔い改めるように呼びかけました。けれども、イエスは親切に優しさを持って悔い改めへと促しました。同じように、私たちも親切に、恵みの主であるイエス・キリストに人々を導きましょう。

あなたの周りにいるイエスに従っていない人の名前を3〜5人書き出しましょう。

毎日その人たちのために祈りましょう。その人たちがイエスキリストの良い知らせを知るために、 どんなことができるでしょうか?


1 「ステップ2:聖書」

2 ペテロの手紙 第一 2章9-12節

3 コリント人への手紙 第一 5章12-13節