ステップ 6:交わり
イエスのようになる
イエスの弟子の二つ目の目的はイエスのようになることです。私たちの目的は言葉遣いも、行動も、考え方もイエスのようになることです。 真の神としてイエスは神のかたちであり、神の栄光の輝きです。 1 そして罪のない人として、イエスは神と人 々を完全に愛して、人の造られた目的を完全に果たしました。 2 ですから、私たちがイエスのようになるということは、神のかたちとして神の栄光を現すものになるということです。 同時にイエスのようになることは、神に造られた目的の通りに本来あるべき人間の姿を取り戻すことでもあります。
私たちは常に自分の信じていることや、 周りにいる人々、日々の習慣によって何かのかたちに変えられています。その中で聖霊は、聖書の教え、クリスチャンの交わり、 霊的な習慣を通して私たちをイエスのかたちに変えるために働いています。
使徒の働き 2章42節
42 彼らはいつも、使徒たちの教えを守り、交わりを持ち、パンを裂き、祈りをしていた。
周りにいる人たちは私たちに大きな影響を与えます。 自分が親と同じようなことをしていたり、 同じようなことを言っていたりしてドキッとしたことがないでしょうか。 友達や家族のくせや習慣が気がついたら自分のものになっていたりします。 同僚の気分は自分の気分にも影響します。ですから、聖書はどのような人と時間を過ごすかをしっかり考えるようにと忠告しています。
詩篇 1篇1節
1 幸いなことよ悪しき者のはかりごとに歩まず罪人の道に立たず嘲る者の座に着かない人。
イエスは、人々が悔い改めて神を信じるように、あえて神から離れていた人々や 「罪人」と呼ばれていた人々 と時間を過ごしました。 同じように、イエスの弟子たちもイエスの働きに参加するために、神から離れている人々 と時間を過ごして関係を築きます。ですからクリスチャン以外と時間を過ごすことも大切です。しかし、聖 霊が 私たちをイエス
あなたが同僚、家族、友達など、周りにいる人たちから影響を受けたことには、どのようなことがありますか?
ここでは、クリスチャンの交わりを大切にするための三つの行動を紹介します。
行動1
互いに罪を告白し合う
行動2
互いに福音を語り合う
行動3
互いに仕え合う
行動 1: 互いに罪を告白し合う
クリスチャンとして生きていく中で、イエスの生き方から外れて罪を追い求めてしまうことがあります。その度にイエスの弟子は、 悔い改め、福音を信じ、改めてイエスに従います。3 悔い改めは個人的に行うこともありますが、 告白を通してコミ ュニティーとしても行うことができます。
ヤコブの手紙 5章16節
16 ですから、あなたがたは癒やされるために、互いに罪を言い表し、互いのために祈りなさい。正しい人の祈りは、働くと大きな力があります。
私たちの罪の赦しは、イエスへの信仰を通して神が与えてくださるものなので、神からの赦しを得るために互いに罪を告白し合うのではありません。4 しかし、私たちは互いに罪を告白することでその罪が自分に対して持つ力を壊そうとします(特に習慣的な罪に対して)。
もし私たちがすでに救われているなら、なぜ赦しを求めて祈る必要があるのでしょうか。
クリスチャンは信仰によってイエスと結ばれていて、 どんな罪も私たちをイエスから引き離すことはできません。5 しかし、罪は私たちの神との交わりを邪魔します。たとえば息子が父親の車を事故で壊してしまったとします。だからといって彼は家族から追い出されるわけではありません。しかし、父親との良い関係を続けるためには正直に起きたことを告白して謝る必要があります。私たちが神や 人々に罪を告白するのは、神との関係や人々との関係が罪によって邪魔されないためです。
ヨハネの手紙 第一 1章6-9節
6 もし私たちが、神と交わりがあると言いながら、 闇の中を歩んでいるなら、私たちは偽りを言っているのであり、 真理を行っていません。 7 もし私たちが、神が光の中におられるように、光の中を歩んでいるなら、 互いに交わりを持ち、 御子イエスの血がすべての罪から私たちをきよめてくださいます。 8 もし自分には罪がないと言うなら、私たちは自分自身を欺いており、私たちのうちに真理はありません。 9 もし私たちが自分の罪を告白するなら、神は真実で正しい方ですから、その罪を赦し、私たちをすべての不義からきよめてくださいます。
「闇の中を歩んでいる」とは罪を行っている状態のことです。「光の中を歩んでいる」とは、イエスを信頼して罪を告白することです。罪を隠すと私たちは暗闇にとどまり、その罪は私たちに力を持ち続けます。しかし、罪を告白することで私たちは罪を光に出し、罪の力は失われていきます。そして聖書が言うように、罪の告白は神との関係の回復だけではなく、他のクリスチャンとの関係が深まることにもつながります。
他の人に罪を告白したことがありますか?
それはどのような経験でしたか?
私たちは罪だけでなく重荷も互いに分かち合います。クリスチャンの交わりは、互いが弱さを抱えているときに助け合うものです。
ガラテヤ人への手紙 6章1節
1 兄弟たち。もしだれかが何かの過ちに陥っていることが分かったなら、御霊の人であるあなたがたは、柔和な心でその人を正してあげなさい。また、自分自身も誘惑に陥らないように気をつけなさい。
車には、運転席からはミ ラーで見ることのできない死角と呼ばれる部分があります。けれども、助手席に座っている人は運転者の見えていない危険を見て、警告することができます。 同じように、私たち全員が霊的な死角を持っています。たとえば、私たちは罪だと気がつかずに罪を犯してしまうことがあります。そんなときに、他のクリスチャンは霊的な死角を教えてくれる大切な存在です。ただし、誰かの罪を指摘する時には優しさを持って、自分の心のプライドに気をつけながら行う必要があります。
ヤコブの手紙 5章19-20節
19 私の兄弟たち。あなたがたの中に真理から迷い出た者がいて、だれかがその人を連れ戻すなら、 20 罪人を迷いの道から連れ戻す人は、罪人のたましいを死から救い出し、また多くの罪をおおうことになるのだと、知るべきです。
行動 2: 互いに福音を語り合う
クリスチャンの交わりは、ただ一緒に時間を過ごすよりも深いものです。私たちは互いに罪を告白し合い、祈り合い、仕え合い、真理を語り合います。だからといって、クリスチャンの交わりは必ず真面目な話し合いでなければいけないわけではありません。単純に他のクリスチャンと一緒に時間を過ごすことで励まされることも多くあります。6 クリスチャンの交わりを他の交わりと大きく分けるのは、福音への信仰を共に持っているということです。7
では、他のクリスチャンが罪の告白をしてくれた時に、どのように応答するべきでしょうか。また、クリスチャンの友人が落ち込んでいるときに、どのように励ますべきでしょうか。クリスチャンの兄弟姉妹が私たちから必要としているのは何でしょ うか。この答えは、 互いに福音を語り合うことです。
ローマ人への手紙 1章15節
15 ですから私としては、ローマにいるあなたがたにも、ぜひ福音を伝えたいのです。
パウロはローマの教会のクリスチャンたちに「福音を伝えたい」と書いています。ですから、福音はクリスチャンでない人が救われるために聞くべきだけのものではありません。クリスチャンにとっても、イエスのかたちへと成長していくためには福音が必要です。
福音を互いに語り合うために、礼拝のメ ッセージのような聖書の教えを準備する必要はありません。多くの場合、大切なのは福音の真理を互いに思い出させ合うことです。
「神はあなたを愛しています。」
「イエスがあなたのために死んでくれました。」
「聖霊があなたの人生で働いて、あなたを変えてくれているのがわかります。」
「あなたは神様に赦されて受け入れられているよ。だから、 安心して。」
互いに福音を語り合う方法は、言葉、メッセージ、歌、聖書の箇所などたくさんあります。
コロサイ人への手紙 3章16節
16 キリストのことばが、あなたがたのうちに豊かに住むようにしなさい。知恵を尽くして互いに教え、忠告し合い、詩と賛美と霊の歌により、感謝をもって心から神に向かって歌いなさい。
互いに福音の真理を語り合うことで、それぞれがイエスのように成長していく助けをすることができます。
エペソ人への手紙 4章15節
15 むしろ、愛をもって真理を語り、あらゆる点において、かしらであるキリストに向かって成長するのです。
私たちの目的は、それぞれがイエスの姿へと建てあげられていくことです。ですから、口を開く 前にまずは、「今から言おうとしていることはこの人を建てあげるだろ うか、それとも倒してしまうだろ うか」と考えてみましょ う。
エペソ人への手紙 4章29節
29 悪いことばを、いっさい口から出してはいけません。むしろ、必要なときに、人の成長に役立つことばを語り、聞く人に恵みを与えなさい。
他のクリスチャンに励まされた経験をシェアしてください。
行動 3: 互いに仕え合う
イエスは地上での働きを終える前に、弟子たちの足を洗うことで、弟子たちの交わりがどのようなものであるべきかという模範を示しました。
ヨハネの福音書 13章14-15節
14 主であり、師であるこのわたしが、あなたがたの足を洗ったのであれば、あなたがたもまた、 互いに足を洗い合わなければなりません。15 わたしがあなたがたにしたとおりに、あなたがたもするようにと、あなたがたに模範を示したのです。
クリスチャンの交わりを大切にすることは、互いに仕え合うことです。互いに仕え合うことで、私たちはイエスが命じた互いに愛し合うことを実践します。
ヨハネの福音書 13章34節
34 わたしはあなたがたに新しい戒めを与えます。 互いに愛し合いなさい。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互いに愛し合いなさい。
クリスチャンが互いに愛し合い、仕え合うために、聖霊はそれぞれのクリスチャンに霊的な賜物を与えてくれています。8 時々、クリスチャンは間違って、霊的な賜物を個人の能力診断やア イ デンティティーのように扱 ってしまいます。しかし、霊的賜物の目的は個人 や個人の能力を称賛したり高めたりすることではありません。霊的賜物の目的は、それぞれがへりくだって互いに仕え合うことです。
コリント人への手紙 第一 12章7節
7 皆の益となるために、一人ひとりに御霊の現れが与えられているのです。
互いに仕え合うときには、「私はこのように仕えたい」という思いよりも、「教会のコミ ュニティーが必要としているのは何だろうか」という問いの方が大切です。
どのようにすれば、あなたの教会のコミュニティーが必要としていることがわかりますか?
その必 要に仕えるために、あなたにできることはありますか?
神はすべてのクリスチャンを赦して新しい性質を与えてくれていますが、それでも私たちは罪を犯します。クリスチャンの交わりは罪人同士が交わりを持つことですから、互いに罪を犯し合うことがあります。気持ちを傷つけたり、心のない言葉を言ったり、約束を破ったりしてしまうことがあります。もし私たちが完璧なクリスチャンや完璧な教会としか繋がりたくないなら、 誰とも繋がりを持つことはできません。ですから、私たちは相手が不完全でも、クリスチャン同士の交わりを大切にしましょ う。「この交わりから何を得られるか」ではなく、「私は何を与えられるか」「私はどのように仕えられるか」を考えましょう。私たちが仕える心を持ってクリスチャンの交わりを大切にするときに、聖霊が私たちをイエスの姿へと変えてくれます。
1 コロサイ人への手紙 1章15節、 ヘブル人への手紙 1章3節
2 ヘブル人への手紙 4章13節
3 「ステップ4 : 信仰」
4 ローマ人への手紙 8章1節
5 ローマ人への手紙 8章38-39節
6 コリント人への手紙 第一 10章31節
7 ピレモンへの手紙 1章6節
8 ローマ人への手紙 12章、 コリント人への手紙 第一 12-14章